溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「寂しい思いをさせてしまうだろうし、『寂しい』って言われてもすぐに抱きしめることはできないかもしれない。でも、いつだって甘えてくれていいから」


おもむろに抱き寄せられていた肩が離され、穂積課長と向き合う体勢で顔を上げた。
課長はいつものように優しい笑みを浮かべていて、私の寂しさと不安をそっと溶かしてくれる。


「寂しい時は、本当にそう言ってもいいんですか?」

「あぁ。だいたい、莉緒が寂しがり屋なことくらいわかってるから、我慢されるより素直に甘えてくれる方が嬉しいよ」

「でも、智明さんは私が彼女で疲れませんか? 私……忙しくなる恋人に心配させてしまうようなダメ人間で、この五日間だってずっと甘えてばかりで……」

「ばか」


呆れたように眉を寄せる穂積課長が、私の頬を優しく摘まむ。
たいして痛くはなかったのに「い、いたい……」と嘆くと、課長は優しい眼差しで私を見つめながら、ふっと口元を綻ばせた。

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