溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜
「年末年始はずっとラブラブだったのにね」

「……その話はもうやめて」


多恵に連行されて飲みに行った年明けのことを思い出して、赤面してしまいそうになる。
あの日は彼女らしくないほどに質問攻めにされて、私はろくに飲んでいないのにぐったりと疲れてしまった。


もちろん、多恵は祝福してくれているし、心配もあっていろいろと訊いてきたのだとわかっているけれど……。いつになく容赦がなかった彼女に洗いざらい話すのは、本当に恥ずかしかった。


「だって、意外だったし……。ほら、莉緒の彼ってただ優しいだけのタイプかなって思ってたのに、莉緒には甘々で、めちゃくちゃ溺愛してるから」

「あっ、甘々って……!」

「だって、そうでしょ。私、何度か話したことはあるけど、そのときとイメージが違いすぎるからちょっと信じられないもの」


コーヒーカップに口をつけた多恵が、「思い切り草食系って感じだし」と付け足す。
私はとにかく、羞恥で身の置き場がないような気持ちでいた。

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