溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜
「お前に興味が湧いたから」

「……あの、それは部下として、ということでしょうか?」


予想外すぎる答えについ躊躇してしまって、口を開くのが遅れてしまった。


「お前はばかか? 部下として興味があるなら、職場だけの付き合いで充分だろ」

「すみません……」


思わず謝罪してしまったけれど、なぜ謝らなければいけないのだろう。
例え上司だからって、年上だからって、私は別に悪くないはずなのに……。


ただ、そんな反論を口にするなんてとてもじゃないけれど無理だと感じ、どうすれば一刻も早く自分のベッドに辿り着けるのかを考え始めていた。


青山(あおやま)、わかってる?」

「はい?」

「お前に選択権なんてないよ」


にっこりと微笑まれて、たじろぐ。
零したつもりだった「え……」という文字がちゃんと声になったのかは、わからない。


ずっと癒し系カテゴリーにいた人から横暴なことを言われているという状況に、あまりにも驚きすぎて……。
忘れていたはずの酔いが、一気に回ってきたような気がした。

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