極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜
頭の芯がぼんやりとしていくような感覚を抱いたのは、チョコに入れたリキュールのせいか、バカみたいに甘いキスのせいか……。
答えは考えなくてもわかったけれど、ガラにもないことを思ってしまった自分自身には気づかない振りをする。


捕らえられたままの舌は、まだ自由になることを許しては貰えなくて……。息が苦しくなるほどに呼吸を乱しながらも、容赦なく与えられる甘ったるくて深いキスに陶酔していた。


「ほら、ボーッとするなよ」


ようやく唇が離された直後、篠原が言い終わるよりも早く、私の奥を突いた。
まだ泥濘のようなままのそこは、彼自身を離そうとはしない。


「そんなに気持ちいい? 俺の」


それに気を良くしたらしい篠原は、熱を持って収縮するそこを抉るように腰をぐるりと回した。
呼吸が止まってしまいそうなほどの強い刺激に、涙が頬を濡らす。


唇から漏れるのは、甘い嬌声。
口の中に残るチョコの味が、ドロドロに溶かされたあの夜のことを思い出させる。


「もっと俺に溺れろよ」


もう充分過ぎるくらいに彼に溺れている私は、これから骨の髄までドロドロに溶かされてしまうことを予感して……。この極上の恋から、今度こそ本当に離れられないだろうと思った──。

< 113 / 134 >

この作品をシェア

pagetop