極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜
そのあとはもう、本当に最悪だった。


効き過ぎたエアコンのせいで溶けたあのチョコを、あろうことか体中に擦りつけられて……。さらには、その上から執拗なほどに舐められた。


同時に、篠原の手や指が私の体の形を余すことなく確かめるように動き回り、その感覚に身を震わせる。
性急なようでいてゆっくりな撫で方に、意図せずに吐息を漏らしていた。


肌を這う舌や指先に私の体は素直に応え、そんな自分自身の反応に戸惑って、パニックになって……。私の中にある理性がこんなことはありえないと思うのに、思考は少しずつ奪われていき、それに比例するように抵抗も弱まっていった。


唇を甘く食まれ、ペロリと舐められ、すべてを奪うように口腔を荒らされる。
そんな風にしつこいほどのキスを与えられた時には、本気で窒息するかと思った。


そして、服を脱がされる前からすでに意識が朦朧としていた私に反し、五つも年上の篠原は驚くほどの体力の持ち主で……。私が何度『もうやめて』と懇願しても、彼は艶かしい視線を向けながら私の体をしつこく弄んだ。


鳴いて、啼いて、泣いて……。
もう本当にダメだと思った直後、私はとうとう意識を手放してしまった──。

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