君がくれた明日は、七色の光を描いている
「……ホントか?」


智也は疑わしげに見下ろしてくる。


「本当だよ。ごめんね。なんか誤解させちゃって」


心にもない謝罪をして、私はふわりと笑顔を作った。


自分は他の女と好き勝手やってるクセに。
私のことは、自由にさせない。

なんて身勝手でずるい男なんだろう。


朝陽くんには彼女がいるのを知っているから、私は想いを伝えたことがない。

その想いを胸にしまったまま、智也と付き合っている。

だから、ずるいのは私も同じ。


智也のことは嫌いなわけじゃなくて。
普通に好きで一緒にいるつもり。


だけど……、1番に好きなわけではないから。

智也との関係が長続きすることはないと、どこかで感じていた。


< 20 / 40 >

この作品をシェア

pagetop