この恋を金木犀のせいにして
「俺は別に、お前がいいならそれでいいけど。大丈夫?」
「大丈夫だよ。律希のくせに心配とか似合わない」
「おめーにだけは言われたくないね」
律希が私の名前を呼ばなくなったのも、
全部私のせいなのに。
壮真はとにかく独占欲が強かった。
俺が梨花を幸せにしたい、梨花を笑顔にしたい。
俺だけが、梨花の名前を呼びたいから。
だから俺以外の男に、梨花の名前を呼ばせないで。
そのとき私も重症だったから、喜んで言うことを聞いた。
私が他を拒絶した分まで壮真が愛してくれると、ほんとにそう思ってた。