あなたが居なくなった日。
「楓ぇー。私には無理だよぉー。どうしよう」
でも私には無理。
人見知り以前に目標も夢もなくただ好きだからって理由でピアノを弾いている私には荷が重すぎる。
「でも丁度いいじゃん。いい練習相手だと思うよ、新田くんは」
「何の練習よぉ」
「あえて名前をつけるなら……。そうだね。
“三咲ちゃんお喋り化計画”とかどう?」
悪いけど思考を巡らせた割にはセンスがない。
ってか何それ。
誰得?
私はいまのままで充分なのに。