あなたが居なくなった日。
「さてと、そろそろお父さんのご飯を準備しなくっちゃ」
お母さんはそう言うと立ち上がってしまう。
「お風呂、いつでも入れるからね」
「ありがとう」
気持ちに合ったものが一番だと言われてしまえばそれ以上は聞けない。
だってそもそも私は新田くんの気持ちなんて知らないから。
そう思うとこの広げられた譜面たちも意味がないかもとは思うけど……。
まあ知識はあって損はないし、単純に懐かしくもあるから見ていて楽しいし……。
そうやっていくつも譜面を眺めてから片付けて。
ようやくお風呂に入ったのは結局家族で一番最後になってしまった。