あなたが居なくなった日。

「異議あり!遅くないよ。まだHR終わって十五分だよ?十分早いよ」

「でも僕はもう十分も待ったよ」

いや、考えても見て欲しい。

特待生クラスの方が練習室から遠いはずだ。

それなのに既に十分待ってるってダッシュでここへ来たの?

特待生って暇人なの?

「違うからね」

訝しげに眉を寄せている私の考えを新田くんは読みとったのだろう。

「ただ早くここへ来たかっただけだよ」

「どうして?」

私の問いかけに新田くんはいままでで一番の笑顔を見せる。

「早く歌いたいんだ!」
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