あなたが居なくなった日。
だからきっと、前日まで休んでいてもそんな事は問題ないのかもしれない。
「演奏会には来るよね?」
楓がその答えを知る由もないのに、あまりの不安に聞いてしまう。
「そう思うよ」
楓は適当な事を言わない。
だから根拠もなく『絶対来るよ』とは言わなかった。
正直、新田くんがピアノを嫌いになってしまったならそれでもいいと思う。
別に、新田くんの人生にはピアノがなくちゃ意味がないなんて事はないもん。
ピアノが嫌いなら弾かなければいい。
無理をする必要なんかない。