あなたが居なくなった日。
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私がピアノにはまったきっかけであるお母さんなら或いは何かしらのヒントをくれるかもしれないとリビングへ向かう。
「宿題は終わった?」
今まさにそこから逃げてきた私にお母さんは無慈悲な言葉を投げかけてくる。
「おーわーらーなーいー」
「まあまあ」
お母さんは呆れながらも眺めていた雑誌を閉じて私と向き合ってくれる。
「あと何が残ってるの?」
「地獄の譜面作り」
「あら、地獄なの?」