あなたが居なくなった日。
教室は別棟に設けられ、朝も部活動をしている子たちよりも早く登校。
放課後は閉校時間ギリギリまで残っていることが多く、一般人の私たちにはすれ違う瞬間すら訪れない。
「午後の授業やだなぁ」
「あー、まあ気持ちは分かる」
さっきまでクラス中から浴びせかけられていた視線を思い出すと鬱々とする。
「はぁ……」
「まあ、ほら!いいこともあったじゃん!」
「いいことー?」
悪いが今日のうちで良いことが起きた実感はない。
頭を捻りながら友を伺うと彼女は両手で口元を覆い、なぜか照れている。