旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 *

 成暁さんから、早乙女さんについて納得のいく説明もされないまま時間だけが過ぎていった。

 打ち上げを行うことになり、白のフェザーニットに、足首まである黒とグレーのバーバリーチェックスカートという服装で居酒屋へと向かう。

 冬服は違和感なく肌を隠せるから安心する。柔らかな素材でも、私にとっては強靭な鎧だ。

 それに、人と接することを以前ほど億劫だと思わなくなった。

 最近では外に出る機会を増やし、自分なりに変わろうと頑張っている。

 場所は会社からほど近い個室居酒屋で、和モダンの部屋はダウンライトで照らされ、大人っぽい雰囲気が漂っている。

 十名ほどが座れる、光沢のない落ち着いた黒色の長テーブルが三つあり、私と佳奈さんは出入り口に近い場所に腰を下ろした。遅れてやってきた成暁さんは、皆にすすめられるがまま奥の席へ。

 離れちゃったな。

 残念がっていたら、佳奈さんにこっそり耳打ちされる。

「後で呼んであげるから」

「いえ! そんな!」

 慌てて顔の前で手を振ると、おかしそうに笑われた。
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