*・。ALICE。・*
学校中から聞こえる笑い声。
高校に入学してからまだ日も浅く、
この声が途切れることはなかった。
まだ新しくぎこちなさの残る制服が
幼さを感じさせる。
そんな中であたしはいつもと変わらず
友達とただ笑い合っていた。
『ミキ~!!!』
その声にふっと後ろを振り返る。
―新乃美妃―
それがあたしの名前。
他の人と全然大差ない
極々平凡な高校生…だと
自分では思っている。
ルックスや成績とかは
そこまで悪いわけではないけど、
良くもない。つまりが平均。
コレといった才能があるわけもなく
こうして友達と話しているのが
何よりも好きだった。