*・。ALICE。・*
「約束する。でもあたしたちだって
いきなり帰られたんだし、
知る権利はあるよね?」
それを聞いた蓮の表情が
だんだんいつものに戻っていったから
安心した。
「そうだよな。ゴメン。
怒るつもりはなかったんだけど。」
「別にいいから。あたしも悪いんだし。
それより何があったわけ?」
しばらく考え込んでから
蓮はゆっくりと話し始めた。
「ミキって俺がバンドしてたの
知ってるよな?」
「中学のときでしょ?」
いきなり話が変わったから
正直、戸惑った。
「そっ。で、バンドのメンバーが
陸と歩だったんだよ。」
そう言われてみればそんな気がする。
なにしろライブなんて中学生が
できるはずもないから
演奏を聴いたことは
ほとんどなかった。