一期一会
心待ちにしていた鐘が鳴ると担任の先生が入ってきた。
四十歳くらいだろうか、女性で優しそうな先生だ。
担任が軽く挨拶をすると、その後は体育館で入学式だ。
体育館の入り口で先輩たちが「入学おめでとう」の言葉と一緒に胸元にお祝いの花のバッジをつけてくれた。
それから担任に誘導され用意されていたパイプイスに座った。
周りは喧騒だらけ。
静かなのは私だけ。
まだ初日も終えていないのに今日のことを既に諦めて、明日こそは誰かに話しかけようと考えていたら突然飛んできた。
「ねぇ」
右隣から低い声。
反射的にそちらの方向に向くと、笑顔の男の子がこちらを向いていた。
「俺、中原智也《なかはらともや》。お前は?」
「へ?」
誰かに声を掛けられるとは思ってもいなかった私は素っ頓狂な声が出てしまう。
「名前、何?」
「に、西野瑞季です……っ」
緊張しまくってたせいか口がいつも通りに動かず声が少し掠れた私に彼は、
「俺、クラスに同中のヤツいなくてさ……友達になってくれない?」
まさかの言葉を放ってきた。
「えっ!?」
私は彼に素っ頓狂な声しか出していない。
たまたま出席番号が同じで、たまたま隣に座った私に声をかけてくれたようだ。
四十歳くらいだろうか、女性で優しそうな先生だ。
担任が軽く挨拶をすると、その後は体育館で入学式だ。
体育館の入り口で先輩たちが「入学おめでとう」の言葉と一緒に胸元にお祝いの花のバッジをつけてくれた。
それから担任に誘導され用意されていたパイプイスに座った。
周りは喧騒だらけ。
静かなのは私だけ。
まだ初日も終えていないのに今日のことを既に諦めて、明日こそは誰かに話しかけようと考えていたら突然飛んできた。
「ねぇ」
右隣から低い声。
反射的にそちらの方向に向くと、笑顔の男の子がこちらを向いていた。
「俺、中原智也《なかはらともや》。お前は?」
「へ?」
誰かに声を掛けられるとは思ってもいなかった私は素っ頓狂な声が出てしまう。
「名前、何?」
「に、西野瑞季です……っ」
緊張しまくってたせいか口がいつも通りに動かず声が少し掠れた私に彼は、
「俺、クラスに同中のヤツいなくてさ……友達になってくれない?」
まさかの言葉を放ってきた。
「えっ!?」
私は彼に素っ頓狂な声しか出していない。
たまたま出席番号が同じで、たまたま隣に座った私に声をかけてくれたようだ。