一期一会
「そういえば」
「ん?」
私の呟きにアツヒロ君は再びこちらに向いた。
「宿題、終わったの?」
私はアツヒロ君を見て訊ねる。
「それは訊くな」
それを聞いたアツヒロ君はまたそっぽを向いた。
やっぱり終わっていないよう。
「こんな所に来てる場合じゃないじゃん。私はもう見せないからね」
「もう成実に借りたもんね」
そう言ってアツヒロ君は得意気に鞄からノートを見せる。
それを見た私は思わず舌打ち。
チャッカリしてやがるな。
「お節介だけど、言った方が良いと思うぞ」
突然のアツヒロ君の真剣そうな声に顔を向けると、彼はやっぱり真剣な顔をしていた。
「何を?」
「何をって、智也にーーーー」
アツヒロ君が言い切る前に、上空から大きな音が響いて一面を明るく綺麗に彩った。
それに反応したアツヒロ君は私から上空に視線を移して花火を眺め始めた。
アツヒロ君の言葉は花火にかき消されて最後まで聞こえなかったけれど、私はその事を気にもせずに一緒に花火を眺めることにした。
「ん?」
私の呟きにアツヒロ君は再びこちらに向いた。
「宿題、終わったの?」
私はアツヒロ君を見て訊ねる。
「それは訊くな」
それを聞いたアツヒロ君はまたそっぽを向いた。
やっぱり終わっていないよう。
「こんな所に来てる場合じゃないじゃん。私はもう見せないからね」
「もう成実に借りたもんね」
そう言ってアツヒロ君は得意気に鞄からノートを見せる。
それを見た私は思わず舌打ち。
チャッカリしてやがるな。
「お節介だけど、言った方が良いと思うぞ」
突然のアツヒロ君の真剣そうな声に顔を向けると、彼はやっぱり真剣な顔をしていた。
「何を?」
「何をって、智也にーーーー」
アツヒロ君が言い切る前に、上空から大きな音が響いて一面を明るく綺麗に彩った。
それに反応したアツヒロ君は私から上空に視線を移して花火を眺め始めた。
アツヒロ君の言葉は花火にかき消されて最後まで聞こえなかったけれど、私はその事を気にもせずに一緒に花火を眺めることにした。