一期一会
ハッと気付いた時には放課後。
周りは既に疎らだった。

最後の授業をまとも受けた記憶がない。

あれから毎放課と昼休みは教室を出て、楠木さん達と中原君に話し掛けられないよう逃げていた。

とりあえず周りに楠木さん達が居ないことを確認したら、少し冷静になってきた。


これからどうしよう……


向き合わないといけない現実から逃げていたが、漸く向き合おうと考えることにした。

合宿の時に感じた違和感は楠木さん達が原因だろう。
きっと主犯角は楠木さん。
あれだけ私に敵意を剥き出しにしたんだから。
きっと女子達に私と口を聞くな、聞いたら仲間外れにするとでも言って私を孤立させたんだろう。

はぁ……溜め息しかでない。

始まったばかりの学校に行きたくないなんて親には言えない。

亜由達はクラスも離れているし、何より余計な心配をかけたくない。
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