ずっと前から好きだから
「な、夏実？急にどうした？」



突然、叫んだあたしにこころちゃんがビックリしてる。



「ちょっと、トイレに行ってくる」



なんだか、そこにいては行けない気がして、立ち上がって朝食会場を出た。

なんだろう。
なんなんだろ、この感じ。

心臓がバクバクいっている。



「きゃっ」



夢中で走っていると、何かにぶつかって、女の人の声が聞こえる。



「わ、ごめんなさ.......っ」



ハッとして、前を見ると車椅子に乗った詩音さんがいた。



「大丈夫。大丈夫って、昨日匠といた子だ！」



詩音さんが嬉しそうにキラキラした笑顔をみせる。



「あ.......詩音さん、ですよね」


「夏実ちゃんかな？」



詩音さんにもあたしのことは伝わっているようで、そんな彼女にあたしはコクリと頷く。



「詩音さん、は.......竜崎さんのせいでそうなったんですか？」


「ん？あー足のこと？んー.......正直覚えてないんだよね。あんまりその頃のことが記憶になくてさ」



詩音さんは、気さくな人で、昨日はじめてあったようなあたしにも親しみを持ったように話してくれる。

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