ようこそ、恋愛指南部へ!

でも……

テーブルの上に置かれたアップルパイと紅茶にも手をつけないで、一心不乱にキーボードを叩いている。

そんな真剣になるほどのこと、やっぱり気になるな……


「はい、志乃ちゃんのアップルパイと、こっちはハーブティーだよ」

「あ、ありがとうございます」


「瀬戸内(せとうち)くんも、はい」

「あざっす!」


昨日と比べて静かだし気にはなるものの、葉月先輩お手製の焼きたてのアップルパイとハーブティーを見たらどうでも良くなった。

にしても、すごいきれいなアップルパイだな……

焼色もすごくきれいだし、断面にもりんごがぎっしりと詰まっていて美味しそうだ。

私以外にもうひとり、少し離れた席で同じようにアップルパイを受け取った子と目があった。


目を合わせたままのほうがいいのか逸したほうがいいのか分からず軽く会釈をする。

その子も同じようにテスト勉強をしようとしていたのか、

開いた教科書やら荷物を持って私の隣に座る。


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