ようこそ、恋愛指南部へ!


鈴子はともかくとして、みあの言ってることは全くわからないよ!?

よりによってあの男の話なんて……はっきり言って逃げ出したい。

誰でもいいから助けて、思わず心の中でそう願った。


「……おい、ブス」

ちょっと低めの声。

そして、私のことをそんな風に呼ぶ人物なんて一人しか思い当たらない。


「椎名先輩!」

「あ、一護先輩だ〜」

助けてほしいとは思ったよ、思ったけど……

遠くからでもわかる相変わらずの目つきの悪さで、教室の入口付近に腕組みをしながら立っている男。


「ったく、校門前で待ってたがあまりにも来ないから迎えに来てやったぞ」

「そんなこと頼んで……もがっ!?」

鈴子に口を手で塞がれ、続きの言葉が言えなくなってしまった。


「いい彼氏だな」

「だね〜。しかもカッコいいし志乃ちゃんが羨ましいな〜」

「もぐっ、もがもぐ!」

「あぁ、すまないつい」


そこ、楽しそうに世間話する前に手を話してからにしてくれません!?


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