ようこそ、恋愛指南部へ!


「行くぞ」

いつの間にか教室まで入ってきた暴君は私の手を掴む。


「え、でも、今日は部活はないはずじゃ……」

「あぁ、たまにはお前を甘やかしてやるよ」

付き合ってから初デートってやつだな、と耳元で囁かれる。

は、ははははは初デート!?


「……っく、ははっ!お前の顔、メンダコみてぇに真っ赤だな」

「何故そこでメンダコチョイス!?」

赤くて例えやすいものってりんごとかタコとかあるはずなのによりによって何で深海生物選んだ!?


「というわけだから、志乃借りてくな?」

「あぁ、どうぞ」

「志乃ちゃん、今度は詳しく教えてね〜」

やたらニヤニヤしている二人に手を振られながら、私たちは学校を後にした。





「ちょっと、どこ行くつもりなの!」

「あぁ?つーかお前、家どの辺だよ」
  

話、聞いてないし!

というかさっきから引っ張られてる手、痛いんですけど!

繋いでるっていうよりこれだと拉致られ……

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