ようこそ、恋愛指南部へ!
「なるほど……一応ちゃんと考えてくれてるんだ」
「当たり前だバーカ。こんな手のかかるアホの相手、俺以外に務まらねぇよ」
ハハッと笑うその姿は、どこからどう見ても普通の男子高校生だ。
ふと、セトくんの言葉を思い出してしまう。
『だから今は、部長は恋愛指南を軽い依頼だけ受けるようにしていて、コンテストに集中したいって』
今は7月中旬。
コンテストの日は、25日だよって葉月先輩が教えてくれた。
本当だったら今日も、コンテストの準備しないと行けなかったんじゃ……
「何だよ、急に静かになって。お前が静かだと別人みたいだな」
「……私だって何も考えてないわけじゃないんだから!
大体、デートなんてしててコンテストに影響出ないの?」
私がそう言うと、暴君はお腹を押さえて笑い出した。
「……ほんっとバカだな、お前は」
「なっ!?今バカって言うの失礼すぎない!?」