ようこそ、恋愛指南部へ!
「もう、離してよ!」
「うわっ!?」
掴まれていた手を無理やり解く。
握られていたところが熱くて、手をパタパタと振って冷やそうとする。
「で、家どの辺だよ」
「〇〇町の近く……」
「じゃあそっち方面に帰りながら寄り道するか」
手を無理やり振り払ったのに、何とも言われない。
気にしていたのは自分だけだと思うと、何となく恥ずかしい。
こんな性格とは言え、男の人だし……しかも腹立つことにイケメンだし。
動揺しないほうがおかしいよね。
「甘い物は?好きか?」
「うん!大好き!」
「なら、いいクレープ屋知ってるから、そこ行くか」
学校帰りにクレープ食べて帰るとか、何か……
「物凄くデートっぽい……!」
一人で感動していると、おでこに軽いデコピンが飛んできた。
「だからデートって言ってるだろうが。
お前みたいな恋愛初心者にいきなり休日デートはハードル高すぎるからな」