覚悟はいいか!【完結しました】



「優………可愛い……
違う、そうじゃない」


一人であたふたしている誠さん
本当、大丈夫?


「あいつはたぶん、いや絶対、優に惚れてるんだよな?」

「あ、えっと、部長からはそう、聞いたけど信じられないよ」

「そんなことない、充分あり得る話だからな
でも、あいつはそれだけで、今回の異動を決める様なバカな男じゃない
まぁ、女を見る目もあったわけだ
ちゃんと、優の能力を認めてる
俺が言うんだから信じろ、自信持っていいから」


誠さんの言葉に私は静かに頷いた


「優………俺はずっと考えてたんだけどまだ、早いと思ってた
でも、このタイミングでこの話も俺にとっては好都合だ
優…………俺と結婚前提に一緒に暮らしてくれないか?」

「え?」

「正直、優に秘書の仕事はあってると思うよ
美幸さんも言ってなかっか?
会社も優の退職なんて望んでない
優がいなくなると経理は痛いだろうな
でも、退職はもっと大きな痛手だ
俺は上司としてお前の能力は認めてる
このまま経理だけは勿体ないと思ってた
だから、今回の人事は納得だ
ただ、恋人としての俺は複雑だ
俺の知らない所で口説かれるのは堪らん
だから、俺の所に帰って来て欲しい
俺が帰る場所にいて欲しい
優は秘書の仕事したいだろ?
俺のわがまま聞いて欲しい」


どうして、この人はこんなにも私の事を揺さぶるのだろう
私の心は素直だ

喜びに震えている


「答えなんて決まってます
誠さん、大好きです
よろしくお願いします」








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