Adagio
「本当に用事があったんじゃない? 坂巻くん優しい性格だからものの言い方選ぶでしょうけど、まったく興味がないのなら、変に期待を持たせるような嘘はつかないんじゃないかな」
宇美は首を傾げる。
「そうでしょうか。……すみません、こんなの上司に話すことじゃないですよね」
「別に、常にガチガチに仕事しなくてもいいんじゃない? さっきも言ったけど、一週間の七分の五は仕事してるわけよ。仕事の中にも心の安らぎみたいなものも必要だと思うけどね。私だってそういうの、あるよ」
「ええっ?」
「そんなに驚くことないじゃない」
宇美は笑った。それからゆっくりと、深く息を吐き出した。
「向こうはさっさと結婚するし、離婚したけど子供もいるし、どうにもなりようがないんだけど。それでも彼から仕事を認めてもらえるのが私の中の張り合いになって、ここまで来れたかなあ」
「それってまさか……」
有紗は丸い目を大きく見開いて口元に手を当て、足を止める。
宇美は首を傾げる。
「そうでしょうか。……すみません、こんなの上司に話すことじゃないですよね」
「別に、常にガチガチに仕事しなくてもいいんじゃない? さっきも言ったけど、一週間の七分の五は仕事してるわけよ。仕事の中にも心の安らぎみたいなものも必要だと思うけどね。私だってそういうの、あるよ」
「ええっ?」
「そんなに驚くことないじゃない」
宇美は笑った。それからゆっくりと、深く息を吐き出した。
「向こうはさっさと結婚するし、離婚したけど子供もいるし、どうにもなりようがないんだけど。それでも彼から仕事を認めてもらえるのが私の中の張り合いになって、ここまで来れたかなあ」
「それってまさか……」
有紗は丸い目を大きく見開いて口元に手を当て、足を止める。