Adagio
「美味しいものは、それを好きな人みんなで食べたほうが絶対に、もっと美味しくなりますから!」

 照れを誤魔化そうとするあまり、必要以上の力のこもった言葉になったが、華美にはもっともらしく聞こえたようだった。納得したように数度頷き、返信を打ち始めた。

『hanamina:綿貫さんから、名言が出ました。「美味しいものは、それを好きな人みんなで食べたほうが絶対に、もっと美味しくなる」って』

 送信後にそのメッセージを見せられて、有紗の頬が熱くなる。これではまるで食いしん坊のようだ。もちろん、それも間違ってはいないのだが。

二人でそのまま反応を待つ。ややあってモニターにポップアップが表示される。

『Smaki:同感。次の機会にお邪魔します。神長』
「神長さん!」

 有紗と華美は同時に声を上げた。華美はスマートフォンを有紗に押し付けてきた。返事を打て、ということだろう。

『hanamina:ぜひぜひ! みんなでたくさん食べましょうb^^d!綿貫』
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