Adagio
『Alissaの会社について教えて』

 データ入力フォーマットのようなものが表示された。会社名こそ明かす必要はないものの、詳細なデータを欲しがっているようだ。

これまでの会話を振り返れば、正確な情報を与えるほどに、的確な受け応えをすることは分かっている。有紗はPCでウェブページの企業情報を開き、数字を打ち込んでいく。

『東京の中でも、規模の大きい会社に勤めているんだね』
『うん。だからわたしが受かったのに、もっと優秀な人が受からない理由なんて思いつかなくて』

『Alissaの会社は成果主義?』
『全体で見ればそういう部分もあるかもしれないけど、わからない』

『残業や休日出勤は多い?』
『課によってはすごく多い』

『それでも平均勤続年数がこれだけ長いのはどうしてだと思う?』

 数秒で有紗が答えられないと、質問が左上にクリッピングされる。

『会社を運営するのに必要なものは?』
 そして、少し切り口の変わった質問が飛んでくる。
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