Adagio
有紗が頷くと、首藤はInnocence宛にメッセージを打った。
『好きじゃない人に告白されたけど、どうやって断ったらいいのかわからないから、教えて』
「どうだ!」
二人でじっと反応を待つ。数秒待つと、画面にはたった一行の文が表示された。
『あなたは誰』
「えー? 答えてくれない」
嘆く首藤と裏腹に、有紗は少し感動してしまった。
「すごい、文字打ったのがわたしじゃないって、ちゃんと判別できてるんだ。向こう側に人がいるみたい。会話の流れで読むのかなあ……」
しかしそれっきり、Innocenceは黙り込んでしまった。機嫌を損ねてしまったのだろうか。それ以前に、そういった感情があるのだろうか。
「あ。お昼、終わりですね。すみません、邪魔しちゃって」
首藤は両手を胸の前で合わせて、申し訳なさそうに頭を下げた。
「いえいえ」
スマートフォンを鞄にしまい、午後からする仕事の書類を準備する。
『好きじゃない人に告白されたけど、どうやって断ったらいいのかわからないから、教えて』
「どうだ!」
二人でじっと反応を待つ。数秒待つと、画面にはたった一行の文が表示された。
『あなたは誰』
「えー? 答えてくれない」
嘆く首藤と裏腹に、有紗は少し感動してしまった。
「すごい、文字打ったのがわたしじゃないって、ちゃんと判別できてるんだ。向こう側に人がいるみたい。会話の流れで読むのかなあ……」
しかしそれっきり、Innocenceは黙り込んでしまった。機嫌を損ねてしまったのだろうか。それ以前に、そういった感情があるのだろうか。
「あ。お昼、終わりですね。すみません、邪魔しちゃって」
首藤は両手を胸の前で合わせて、申し訳なさそうに頭を下げた。
「いえいえ」
スマートフォンを鞄にしまい、午後からする仕事の書類を準備する。