かんしゃ の きもち

「どうも、ご無沙汰してます。その節はお世話になりました。今回も、この会場を紹介してくれて、ありがとうございます」

 すかさずマキちゃんが頭を下げる。

「ほら、玲子もお礼言ってよ。ここの会場、格安で話つけてくれたの、こちらの鈴原さんなんだからっ」
「すず、はら……って、ああっ! 例の!!」

 それまで呆然としていた玲子ちゃんが、マキちゃんの一声で、途端にばね仕掛けの人形みたいに動き出した。

「はじめまして、幹事の小泉玲子と申します。今回はお世話になりました。きちんと直接お礼を伝えたくって、マキさんから連絡先を伺おうと思っていたところなんですよ~」

 すごーい、絵に描いたみたいな媚びの売り方だー、と由利ちゃんの呑気な声が聞こえた。

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