かんしゃ の きもち

「……あのね、玲子ちゃん」
 
 言葉を発しかけた私に、東吾さんがにっこり笑いながら、しゃべるな、と牽制をかけてきた。

 ああ、まずい。
 玲子ちゃんが、地雷を踏み抜いたかも、しれない。

「いえ、こちらこそ。なんせ妻の洋子が初めて参加する同窓会ですから。夫として、いいとこ見せなきゃなと、つい張り切ってしまいまして」

 へー、っという周囲の声のあと。
 一瞬。変な間が流れた。

「……あ、あの、え? つま?」

 狼狽える玲子ちゃんに、東吾さんがわざとらしい笑顔でしれっと答える。

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