かんしゃ の きもち
「ああ、すみません。洋子とは今年の六月に結婚したばかりなので、まだまだ妻と呼ぶのに照れが入ってしまって、どうもうまく言えないものでして」
山本くんがゆっくりと、その場にへたり込んだ。
「そーそー、六月の洋子ちゃんと鈴原さんの結婚式、マキちゃんと出席したんだけどー、豪華ですっごい楽しかったんだー。政治家の人とか、テレビでよく見る経済コメンテーターの人とか、たくさんきてたんだよー。しかも私、東京に行ったの、初めてだったのー。もぅ、夢の国、最高ぅっ!」
さらに由利ちゃんが周囲に再確認させるように、無邪気さを装って言葉をかぶせてきた。
……由利ちゃん、相変わらず人が悪いというか、黒いというか、何というか。