極上御曹司の愛妻に永久指名されました
それを毎日涼しげな顔で処理してるって……この人バケモンだ。
今度からアンドロイド風間って呼んじゃおうかな。
「それは、ご苦労様です」
皮肉ではなく、心からそう言って、「じゃあ、先にお風呂頂きます」と遠慮がちに声をかけ、奥の扉を開けた。
右側がトイレ。左側がお風呂になっていて、ひのきのいい香りがする。
四月でも夜は冷え込むけど、脱衣所は床暖がきいていて温かい。
服を脱いで洗い場で身体を洗うと、ひのきのお風呂にゆっくりと浸かった。
ひのきの香りに心も身体も癒される。
温泉なのか、お湯にとろみがあって肌がつやつやする。
「あ~、いい気持ち」
ずっと京都にいたい気分だ。
でも、明日は東京に戻る。
そのことを考えると急に不安になった。
私、ちゃんと家に帰れるかな?
黒沢さんは……また店にいるのだろうか?
あ~、ダメだ、ダメ。考えるな。
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