極上御曹司の愛妻に永久指名されました
伝わってくる風間の体温に気が少し安らいだ。
しっかりしなきゃ。
風間が言うように、ここには黒沢さんはいない。
"もう大丈夫"と彼に伝えようかとも思ったが、やはりこの温もりから離れるのが怖かった。
彼が側にいれば安心出来る。
「風間……しばらくこのままでいい?」
自分でもおかしなことを言ってるってわかってた。
でも、側に誰かいて欲しかった。
「それでお前が安心するなら」
風間は温かい目で微笑む。
それからどれくらい時間が経ったのだろう。
十分?二十分?
「そろそろ寝よう」
不意に風間が私の目を見つめながら言った。
「今……何時かな?」
まだ辺りは暗い。
私の質問に風間は近くに置いてあった私のスマホを見て答えた。
「午前二時過ぎだ。まだ起きるには早い」
二時過ぎなんだ。
「起こしちゃって……ごめん」
風間の睡眠邪魔しちゃった。
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