極上御曹司の愛妻に永久指名されました
それらを手渡しながら、店員らしく振る舞った。
「ご注文はお決まりですか?」
澄まし顔で聞けば、風間は苦笑いする。
「敬語だと調子が狂うな。タメ口でいい」
「確かに。紫ちゃん、何がおすすめ?」
長谷川もクスッと笑って風間に同意しながら、私に目を向けた。
「やっぱりブルーマウンテンかな。最近は、ブルーマウンテンブレンドとか出回ってるけど、うちのはジャマイカ産の豆を厳選してるし……正真正銘のブルーマウンテンよ。酸味や苦味がなくて美味しいわよ」
熱くコーヒーについて熱く語れば、風間はフッと微笑する。
「それだけ説明されたら、頼まないとな」
「僕も、ブルーマウンテン頼むよ」
長谷川も穏やかな笑みを浮かべてオーダーした。
「了解!」
明るく返事をして、カウンターにいる父を振り返る。
「お父さん、ブルーマウンテンふたつ」
父は静かに頷いた。
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