DRAGON の赤い宝石


彼女は、
「は?๑`ȏ´๑お前の方が、
見るからにあぶねえんだよ。
なんて、格好!幾つダヨ‼」


      「えっ!」
その一言に怯んでしまった。
顔に似合わず辛口‼

「お婆ちゃん いこう。」
彼女は優しい顔をして、また歩き
だした。

近くの銀行に着くと
彼女は銀行員に、おばあさんは痴呆症である
ことを告げて

「お婆ちゃん、またね。」

と手を振った。

「あ!!待ちなさい。」

婆さんは持ってた、バックを
焦りながら

「これで、ジュースでも飲みなさい。」

それは、コインでなく、お札でも無い‼

一瞬、呆気に取られた彼女に向けて、
バーちゃんは、2本のストローを
手渡した。

「はいど━━━━ぞ‼」

「う‼ぷぷぷ、プハ~ハハハアヒャヒャ
(((wʬʬʬ∵ゞ(´ε`●) ブハッ!!
確かにアハハハハ確かに飲めるな!」
アハハハハアハハハハアハハハハ

我慢出来ず笑ってしまった。



「アヒャアヒャwププププ」
ムカー💢⚡
彼女に、ギロと睨まれギョッとした。
俺にも礼を言えみたいな
顔を向けてくる。
俺を見ながら顎でクイクイ

俺は「どーも」とぺこりとした。

この、婆ちゃんを俺はしっる親父の病院に入院していた。痴呆症の患者だ

まだ俺が真面目君だった頃、暴れる婆さんを取り押さえて、宥め
病室に連れ帰った事がある。

だから間違いない。


婆さんを預けたあと彼女はスタスタ
俺はブーたれた顔をして無言で歩く‼

彼女は、元いた場所まで来ると、
俺のバイクを見て、


「ホッ、バイクあったね。
私の事心配して付いて来てくれたんでしょう。 ありがとう。」

そう言うと初めてニッコリとして
俺を見た。

置きっパのバイクが盗まれないか
心配していたのか?

だからあんなに早足で歩いて
いたんだ・・納得‼

彼女は真っ黒な綺麗な髪をして
黒々とした目を見せて聞いてきた。

「ヤンキ-なんでしょう。
なんで?
優しい所があるのに?
お金にも困ってい無い
みたいだし。」

「まあな。
金には困らねーよ‼」
(///ω///)
俺は彼女の長いまつ毛に見とれて
しまった化粧もしないスッピン。


「学生?」

「…微妙」俺は答える
「遊んでるの?」

「見たらわかんだろ😮‍💨。必殺遊び人だ」
高身長の彼はカラコンのグリーン
の目をして私を睨むかのように
見た。

  「親は、何にも言わないの?」

「言わないんじゃねえよ、
 オレになにも言えね━━んだよ。」
「………」

「お小遣い、月に幾ら?
幾らもらってんの?」



「20。」

「20万・・・も」(⊙⊙)!!


     「凄い。」


金額を聞いた後、彼女の目の色が
変わった。
(何だ、取り巻きの女の子と、同じじゃないか。)

「遊んでやるよ。先ずは食事だな。
乗れ,飯食わしてやるよ‼」

俺がメットを渡すと‥
大きな黒い、瞳をまん丸にして、

「結構です。」

そう言ってキッと睨んだ
「すねかじりと、遊ぶ暇無いんだ。
晩御飯作らなきゃだから‼
💢 それから銀杏!」


「銀杏?これか?」

俺は落ちてベチャベチャな黄色
実を、足でコロッコロッとした。
ウップ”くっせえ!”


「踏まないで、それ食べ物だから。」
私大好きなの、毎年楽しみに
してるんだから。」

素手で触ると臭いし、かぶれる
人もいるの、だから手袋で
拾うの。

白い殻の中身を食べるんだよ!
すっごーく美味しいんだから。
あ‼そうそう、食べすぎると
ビタミンB6が欠乏して
ヤバイの、食べ過ぎは注意‼。


そう言うと、
制服のポケットをあさると、さっきもらったストローを俺に渡してきた。

「だいじに使えよ。ホイ」



彼女の体温で、生暖かい温もりが残るコンビニで貰ったストローは
俺の心にグサリと突き刺さった。

それから、振り向いた彼女は
綺麗な髪がサワワと揺れ、
澄んだ瞳で、

「親に文句言いたかったら、先ずは自力で 20万稼いでみなよ。それから文句
いえ!
 結構な生活されてますね甘々ちゃん」


と、イヤミたらたらに言ってのけた。

「家は20万で家族全員の生活を
立てていると言うのに!
学費から支払い
 食費まで、五人分!! あなたは、遊べるお金でしょう。
 もっと、使い道考えたがいいよ。
ボンボン‼」



足元で、過激な異臭を放つ銀杏は
俺のようでもあった。


可愛らしい顔をしながら、厳しい
事を、躊躇いもせず俺を諌めた
赤い唇は、まるで尖ったハサミの
様にチョキチョキと硝子の心を
切り裂いた。



俺に説教かますとは、生意気な‥



でも俺を奮い立たせた責任は、
とって貰うぞ!!

髪を、右に左に揺らしながら駆けて行く制服姿の愛らしい女の子を、俺はいっまでも
見送っていた。

腐れ落ちた銀杏が、大好きだと
言った彼女は糶林高校一年
とだけ分かった秋の日の
曇りがかった空は
又、雨を降らせそうな重たらしい
雲がかかっていた。


ピアスやネックレス、指輪を売っ
たら30万になった。

質屋で30万か‼
どれだけ散財して来たんだろう。
ヤケになって遊び回った。

親父に反発するのが馬鹿な目標。

その売り払った金で服を買い、笑わなくなった母親にベコニアの鉢植を、かなり大きめの赤とピンクと白の混ざったやっを買って帰った。

笑わなくなった母親に芸人のDVDを見せてあげた。
笑わなかった母の目が優しくなった。

母を苦しめた父親と同じくらい
俺も母を苦しめていた。

彼女の20万稼いでみろ宣言が
それに気づかせてくれた。

金を俺に振り込んでいたのは
無表情で、感情を出さない母親‼


次の日、髪を切った。

パーマのかかった金髪がバッサバッサと落ちていった。
黒くなった髪は前のまじめ君に
戻っていた。

前のように勉強した。

学校にも復学した。3ヶ月を過ぎてなかったから留年せずに済んだ。
勉強は休んでいても、またトップに返り咲いた。

    「どんだけ 頭いいんだ。」

親友の龍祐や達樹が常に俺の回りにいてくれた。
自暴自棄になってた俺に目を覚させまたこの世界に戻してくれたのは毎日俺を探し説教かましていた
こいつらでも無い‼

甘酸っぱい天使は、
この学校のどこかにいる。

俺は彼女を探し回る!

一年生も特進を、入れたら10組もある。俺の黒いダイヤモンド
どこで静かに光っているんだ。







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