ハル色に染まるるを…


中には、手のひら大の
きれいな化粧箱。


「ハルくんほんとにこれ合ってる?」


もう一度確認するけど、
ハルくんは全然こっちを見てくれない。


「ねぇ!ハルくん、箱が入ってたよ。」


すると、顔を上げないまま
チラッとこちらに視線を向けるハルくん。


「それ。開けて。」


そう言うとまた、目を逸らされた。



??


「…うん。」


腑に落ちないまま、私は箱を開けた。


ーーーパカッ。



ん??



ーー時計?


中には、可愛らしいデザインの
ピンクの時計が入っていた。


「ハルくん、時計だったよ。」



私は見たまま報告する。


すると、ハルくんがボソボソ
呟いた。


「…それ、、、ゆいの。」



え?



「え?私の?」


…くれるってこと?


確信を持てずにいると、
ハルくんがまたポツリと呟いた。


「、、、就職祝い。」


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