日向はキミのもの。










いつになっても戻ってこない つばさちゃん。



「日野 遅いなぁ。」


先生がぽつりとボヤくのはこれで5回目ぐらいだ。




「もう2限目だぞ」




「せーんせー、探しに行ってみたらどうですか?」




クラスの男子がそう言った。



きっと授業を受けたくないから時間を潰したいだけだろう。




そんな上手くいかないと思ったけど、よっぽど気に止めていたのか先生は小走りで教室を出ていった。



「塩見ないっス!」


「うっしゃー」




クラスの男子 塩見くんの発言によって2限目は丸ごと潰れた。



2限目と3限目の間の休み時間。


先生とつばさちゃんは戻ってきた。





私はすぐさま、つばさちゃんの元へと歩み寄った。




「つ、つばさちゃん!大丈夫??」



「あっ、日向ちゃんー!

全然大丈夫だよ〜」



「ほんとっ?!」



「うんっ!


それより1限目のノート移さして〜!」



「全然いいけど・・・」





いつも通りのつばさちゃんのテンション。


その奥にはどんな つばさちゃんがいるのかな。










「ありがとううう!」



「いつでも言って?教えるから!」



「いつもいつも本当にありがとう!

日向ちゃんって、すっごく優しいね」





つばさちゃんの笑顔とその言葉にいつも励まされてる自分がいる。


お母さんには 最近いきいきしてるね!
と言われた。
それも つばさちゃんのおかげでもあるだろう。


初めての女友達、どれほど勇気づけられただろうか。


自分じゃわからない自分の良いところや悪いところまで気づかせてくれたのは、つばさちゃんだ。




「こちらこそありがとう」



「へっ?」



「いつも、ありがとう」



「何それ〜!日向ちゃん可愛いっ!」




私の体にどばっと飛びついてきた、つばさちゃんは私の大切な友達だ。















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