10日間彼氏
「あ、あのう、今度はもう少しゆっくりできる乗り物がいいんだけど」

「いいよ、どれがいい?」

「観覧車とか・・・」

「えっ」

「ダ、ダメかな?」

「そうだなぁ」

彼は首の後ろに手をやり少し困ったような顔をする。

(観覧車という名の密室で2人きりになりたくない。
キスとかせがまれたら困るな)

もしかしたら、彼はこんなことを考えているんじゃないだろうか。

「あ、私、襲ったりしないから、大丈夫だよ」

彼を安心させようと、念のために言ってみる。

「・・・わかった、乗るよ」
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