10日間彼氏
じっと私を見ていた彼は、小さくため息を吐いた。

そして、自嘲気味にフッと笑って、手を私の頬に伸ばしてきた。

頬にあてられた手が熱くて、胸が高鳴る。

「ごめん、意地悪言ったかな。あんまり可愛いからいじめたくなったのかも」

「怒ってない?」

「怒ってなんかいないよ。だけど今の僕は変だな」

「私が悪いの。ごめんね」

私が調子に乗っちゃったから、それがいけなかったんだよね。

「違う、桃ちゃんはなんにも悪くないよ。全部僕が、悪い」
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