冴えないアラサー女が何故かイケメン男子に好かれた話
第1話【玄関開けたら眩しいくらいのイケメンがいました。】

私の一日の生活サイクルといえば。

起きる→ご飯食べる(いちお自炊で自分で作る)→ネットスーパーでお買い物→小説書く→動画サイト見る(煮詰まったら)→ご飯食べる→好きな二次元小説や同人誌を読み漁る→小説書く→ご飯食べる→風呂入る→寝る・・・である。

ご覧の通りの引きこもり生活。
今は本当に便利だと思う。
ネットでなんでも手に入る。

引きこもり生活で不便はない。

が、一つだけあげるとすれば出会いは皆無だ。
最後に恋愛したのは、18~20歳だったか。
そこから、独り身だ。

まぁ、それはいいんだが。
今、目の前にありえない光景が広がっている。

ピンポンが鳴ったから。
また、宅配便か?と思って出てみたんだ。

そしたら、目が眩むほどのイケメンが笑顔でたっていた。
わたしは、2次元の世界に迷い込んでしまったのだろうか・・・。

「こんにちわ。私、渡辺京介と申します。本日より、先生の担当になりましたので。よろしくお願い致します。」
「はぁ···って、えっ?!」
「あの。原稿を取りに行けと言われたんですが。東海林さんから、何も聞いてませんか?」
「聞いてませんけど。それに、次の締切は一週間後って聞いてますが。」
「困ったなぁ。今日、お伺いしろって言ったのは。東海林さんなんですが。」
「でっ、電話してみますから。入って待っててください。」
「恐れ入ります。」

なっ、なんなのよもう!!明恵のやつ!!
あんなイケメンが担当なんて聞いてないし。
担当変わること自体、聞いてないわよ。

♪トゥルルルルルルルルル♪

『はい。東海林です。』
「ちょっと明恵!どういうことよ。担当変わるって!しかも、締切一週間後ってあんた言ったよね?どうなってんのよ。」
『あれ?言わなかったっけ?あたし、昇進したの。編集長に。だから、渡辺くんに引き継ぎしたのよ。で、どう?彼イケメンでしょ♪』
「あのねぇ。いきなり来てびっくりしたわよ。で、締切の件の回答もらってないんだけど?」
『あー。引き継ぎとか、いろんな仕事忙しくて。ごっちゃになってたわ。ごめんごめん。一週間後で間違いないよ。今日は顔合わせってことで。あんたのスケジュール。決まってる分教えといて。』
「あんたねー。あたしが幼馴染だからって。手抜きすぎじゃない?」
『そう?でも、それで今まで上手くやってきたからいいじゃん。あんたはうちの売れっ子作家先生。あたしは、女編集長。』
「はぁ…。わかったわよ。」
『今度、あんたの好きな物奢るからさ。機嫌直してよ。』
「回らない寿司か高級焼肉。」
『はいはい。んじゃ、忙しいから切るよ。』
「あっ!ちょっと!!」

ほんと、むかしっから変わらない。
なんで、地味子のあたしがリア充女子の明恵と幼馴染やってるのか。
みんな不思議がる。
そりゃそうだ。

性格が真逆だもん。
でも、好きなものとか性格の根幹部分が似てる。
ウマが合う。

あたしを売れっ子作家(自分で言うな)にしてくれたのは、間違いなく明恵だから。

あたしは、明恵に頭が上がらない。

「あのー、東海林さんはなんて?」
「間違いなく締切は一週間後だそうです。今日は、顔合わせってことにしておいてくれと。忙しくて、間違えて伝えてしまったそうです。」
「そうですか。今日は、先生から原稿貰って。印刷所に回したら、直帰していいって言われたので。このまま直帰するか。編集部に戻るか。東海林さんに電話してみます。」
「そうしてください。」

イケメンって何しててもイケメンなんだな。

電話してるだけなのに、カッコイイってなんなの?w

2次元から飛び出してきた王子様かなんかですか?
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop