冴えないアラサー女が何故かイケメン男子に好かれた話
「はい。はい。では、そうします。お疲れ様です。」
「どうでした?」
「直帰していいそうです。」
「そうですか。」

まずい!もうこのイケメンが帰っちゃう。

てか、非リア過ぎてこっからどうしていいかわからん。

そしたら、またイケメンくんのスマホがなった。

「はい。渡辺です。はい。えっ?!」

なんか、深刻そうな顔してる。

どうしたんだろう。

「分かりました。すぐに帰ります。」
「何かあったんですか?」
「俺が住んでいるアパートが放火魔にやられたらしくて。運悪く俺の部屋で。全焼だって・・・。」
「えっ?!大変じゃないですか。」
「通帳と印鑑はたまたまカバンに入れていたんで。金銭関係は大丈夫なんです。うちに仕事は持ち込んでなかったのも幸いでした。生活用品は全部焼けちゃいましたけど。」
「行くところあるんですか?」
「まぁ、部屋が決まるまではビジホ生活になりますね。」
「ご実家は?」
「両親は海外に住んでいて。日本に実家はもうないんです。」
「あの、なら。うちに来ません?」
「えっ?!」
「あっ。あのっ。うちは分譲マンションでセキュリティもしっかりしてるし。作家は本とか資料が多いから。元々1人で住むには広い部屋を選んで買ったんです。だから、部屋も余ってるし。ルームシェアで男の人がいてくれたら。なんか安心だし。編集さんがいてくれたら。なにかと便利そうだしって・・・。嫌ですよね。あたしなんかとルームシェア。」
「・・・ほんとにいいんですか?この部屋に来て。」
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