Snow Doll ~離れていても君を~
昼間はごく普通の生徒で、放課後はヤンキーぶった彼だけど。
家では真面目に子守りをしていたとは。
「もしかして。鍋パーティーのときに言ってた“彼女”って、一花ちゃんのこと?」
気まずそうな顔をした春馬君は、コートに付いた雪をほろって立ち上がった。
「あーあ。ばれちゃった?」
私の隣で成り行きを見守っている海里は、全ての事情を知っているのか無言のままだった。
「でも、それならあの子は? 春馬君、2年の教室の前で女の子と楽しそうに話してたでしょ?」
「ああ、あれは近所のおねーさん。映画のDVD貸して欲しいっていうから届けに行っただけ」
幼なじみとか、そんな感じなのかな。
「どうして彼女だなんて言って、隠してたの?」
私が聞くと、春馬君は言いづらそうに口を開いた。
「だって、かっこ悪いから。高校生が遊びより子守りを優先してるなんてさ」
そういえば鍋パーティーのときも、彼女に呼び出されたと途中で帰ってしまった。一番泊まりたがっていたのは春馬君だったのに。
「かっこ悪くなんかないよ、むしろ尊敬する。家族のために自分の自由な時間を犠牲にするなんて、なかなかできることじゃないよ」