怨返し─赦されない私の罪─
普段見れない組み合わせだが、それより依奈はともかく佐々木があれだけの事をされたにも関わらず、来希と目が合っても何ともないかのように目を背けた。
まるで別人、前までの自分好みのビクビクした感じはなく、何か人間としての筋が太くなったように感じた。
京吾に裏切りにあいそうになって、登校時もチラつく警察、屈服する筈が全く逆の依奈に佐々木、自分の思いどうりにいかない展開かつ、自分だけが堕落していく感じが屈辱的でしかなかった。
くそ...クソクソクソッ!なんで俺ばっかこんな目になってんだよ!!いいじゃねぇか!今まで散々小さい時から我慢してたんだ。こんな時ぐらい自分の思いどうりになってくれてもいいはずだろうが!!
来希は小刻みに怒りで震えた。自分の中で沸騰する怒りというマグマが今でも噴火しそだった。
「よぉ〜っす来希〜。」
そんな来希の内心を知るはずも無い清都は軽々しく、そしてうざったらしい口調で話しかける。そんな清都に来希はキッと睨み付けた。
普段ならするはずも無い来希の威嚇は、清都も流石に顔色を伺った。
「な、何怒ってんだよ....昨日は本当に悪かったって。だって折角警察が諦めてる時に....冷静になれなかったんだ...
マジで....あの時怒鳴ってごめん。悪かったよ。」