怨返し─赦されない私の罪─
ピピピピピッ!!ピピピピピッ!!
来希はハッと目を覚ました。両手は自分の首を絞め、ベットの下にヨダレを垂らしながら落ちていた。
来希は先程の事が夢だということに理解するのに数秒かかり、周りを見回していた。
「はぁ...はぁ....ゆ、夢かよ...いつから寝てたんだよ俺....」
まるで現実のような出来事が頭から離れず、思い出す度鳥肌が立ってしまっていた。
ベットの上にある携帯電話を拾って電源を入れるが、充電が切れていて画面は黒いまま。
軽く舌打ちをし、来希は鞄を持って下の階へ降りた。奥の部屋からは大きないびきが聞こえる。
それだけでどういう状況か理解した来希は、すぐに家を出ていった。
朝から悪夢を見て、心身ともに具合が悪くイライラしている来希に対して、すれ違う人や登校している生徒は何事もなくニコニコしている。空は晴天で鬱陶しくも元気に陽の光を浴びさせている。
まるで自分だけが除け者とされているようで益々イライラが増していく。
教室で席に着いても教室中がザワザワしている。その一人一人の喋り声、笑い声やあくびすらもイライラの原因となっていく。
ふと、依奈の方へ目線をやると昨日の事はまるで無かったかのように、佐々木と美苗の三人で普通に喋っていた。