怨返し─赦されない私の罪─

寄り添ってくれているのは分かるが、直感的に美苗とは距離を感じていた。


だがそれだけではなかった。依奈にはまだ慣れてないことがあった。直接目で見ることはほぼないが、心の中で締め付けられるような罪悪感で常に押し潰されそうになっている。

だから依奈は毎度、「しょうがない」「無理だ」といって言い聞かせ、少しでも楽になるようにする。こんな事を一ヶ月少しやっているが、段々負担が蓄積されてきているのか毎日気分が悪かった。


「ん?どうしたの?気分悪いの?」


美苗が心配そうに顔を覗き込むと、教室のドアが凄い勢いで開いた。
その音にビクッと教室内の生徒は身体をはね、視線を一斉にドアの方へ向ける。

ドアには制服をだらしなく着こなし、楽しそうに話している三人組の男子がいた。
その三人組の姿が目に映った瞬間、さっきまで賑やかだった教室はその三人組の声しか響かなかった。


「おう!デブ助!おはようさん!」


「あっ...お、おはよう....」


三人組の先頭にいた黒髪で高身長イケメンな男子が、ドアから一番近くで話していたポッチャりな男子に声をかける。
デブ助と呼ばれた男子生徒は出来るだけ目線を合わせないよう、下の方を見てモジモジしていた。
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