怨返し─赦されない私の罪─

「おいデブ助、お前まぁ〜たこんなメンツとだべってたの?こんなオタク集団と話して何が楽しいんだ?」


イケメン男子は肩に手を回して、そう言った。デブ助はずっと下を見ていた。
そうすると金髪で髪を後ろに上げている男子生徒が、ケラケラ笑いながら話しかける。


「おいおい京吾。そのデブもオタクだろうがよ〜。オタクと話してんのはオタクだけなんだぜぇ〜?」


「え!?そうなの?お前オタクなの?きっしょ〜。」


そう二人にゲラゲラと笑われていたが、デブ助は下を見て、ははっと苦笑いだけをしていた。
そこで京吾はある事を思い出し、少し声のトーンを低くした。


「あっ、そういえばデブ助...今日は忘れてねぇよな?昨日忘れちゃったもんな?今日忘れてたら〜....次のターゲット先お前だけど...大丈夫か?」


その一言にデブ助はダラダラと汗を流し、震える手でポケットから財布を出して、一万円を差し出した。


「だ、大丈夫だから...ちゃ、ちゃんと持ってきたから...こ、これでいいでしょ?」


京吾はデブ助から一万円を取ると、ポケットの中にしまって更にトーンを低くして睨み付けた。


「あ?
"いいでしょ"だと?"いいですか"だろ!?クソデブが!!」
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