怨返し─赦されない私の罪─

リビングは暗闇に包まれ、とてもじゃないが人の気配などしなかった。


ちっ...休む暇も与えてくれないのか?神様は。
ちったぁゆっくり飲ましてくれよ....


心の中でそう愚痴を吐き、何が落ちたのか確認するためリビングに明かりをつけた。
リビングが一気に昼のように明るくなったのと同時に、重信は一気に酔いが覚め、身体が硬直した。目を見開き、顔がどんどん青ざめていく。

身体は硬直しているのに手元からは力が抜け、スルッと缶ビールが床へ落ちて残りのビールが広がっていく。



「あ...ああぁ....お、おま」


「じぁなぁがぁあだぁ?うがえんなァァァァァァァ...」


上手く喋れないのか、重信は目の前にいつの間にかいる人物の言葉が理解できない。
だが、重信にとってそれはどうでもよかった。
目の前に現れた人物が問題で、それ以外は頭に入ってこなかった。いるはずがない、いてはならない、決して出会ってはならない人物がそこにいた。


「がっ....ぁがだぁわざうでぇだ...ぼうわぁだぐげでぇぼじぃなった...なんに...じぬをはあながが....」


その人物はそう言い終わり、ゆっくりと詰め寄ってきた。
重信はあまりの恐怖に腰を抜かし、動けないでいた。涙を零し、歯をガタガタ震わし、大人の威厳はもう既になかった。
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