キミに伝えたい言葉がある



全が言っていることが正論だとも分かっている。
でも、それが現実に実行できないのが俺なんだ。


「はぁーほんと塩田効果って必要だなー」
「は?」
「なーんでも」


全は苦笑しながら、まだ食べ終えていなかったパンにかじりついた。




その日の夜。
俺は、風呂上がりに頭にタオルを乗せたままベットに寝転がって真っ暗な画面のスマホを見つめていた。
莉桜菜は、大丈夫だろうか。
気になって仕方がない。
スマホの横にあるボタンを1回押してホームを出す。
ラインを呼び出して莉桜菜のアイコンを押す。
莉桜菜のアイコンは、前はどこかの風景の絵だったのに前、一緒にブルーベリー狩りに行ったときに大量に採ったブルーベリーの写真に変わっていた。
あの日が楽しかったんだなと伝わってきて嬉しく思ったのを覚えている。
アイコンを押すと、メッセージが一覧される。
一番新しいメッセージは、昨日。
運動会のことと、今日休むというメッセージだった。
俺は、その文を読んだ後、俺はポチポチと文字を打つ。


『体調大丈夫?』


一文打ったが、それを1回消した。
そしてまた、打つ。


『元気になったか?』


でもまた消してしまった。


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